ドイツでワンオペ育児は存在しない?

こんにちは、ベルリンの川嶋です。

 

ここ何日かツイッターなどでムーニーのCMについて話題になっていますね。


子育てしたことがある人なら多かれ少なかれ共感できる内容です。「その時間が、いつか宝物になる」というキャッチコピーにも。

でも、このCMが話題になっているのは感動ムービーというより、母親のワンオペ育児賛美ではないか!という点らしいです。

確かにCMの中でお父さんらしい人はチラっと一瞬しか出てきません。

泣き止まないわが子を抱っ紐にいれてゆらゆら揺らしながら歩く、夜寝ようとしたら、子供が起きて泣き始める前の「ふにゃ」って声にびくっとする、なんてまさにあるあるです。

が、その時お父さんは・・・?

 

日本は育児休暇をお父さんが取ることもまれでしょうし、なんといっても日本のお父さんは忙しい!

では、ドイツのお父さんはどうでしょうか?

Fankfurter Allgemeineという新聞記事によれば(少し情報が古いですが)2014年に生まれた子供の父親34.2%が育児休暇を取っているということです。日本の父親の育児休暇取得率1.9%と比べればすごい違いです。

州別にみると一番多いのがザクセン州で44.2%です。半分近くですね。

育児休暇の期間は女性が12か月丸々とるのに対して男性は2か月までというのが多いようです。

たった2か月、されど2か月です。2か月もお父さんがうちにいられたらいいですよねー。

この2か月という数字にはわけがあります。

 

子供が生まれて育児休暇を取る場合、産後8週間は母体保護のため産休が義務なのでお母さんが休みますが、その後はお父さんが休んでも、お母さんが休んでも12か月までElterngeld(エルタンゲルト)という育児手当が出ます。

もし、両親とも育児休暇を取るとするとその分2か月まで育児休暇がプラスされ、全部で14か月育児手当がもらえるんです。

なので、お母さん12か月プラスお父さん2か月という育児休暇の取り方が代表的なんですね。

ちなみに育児手当は子供が生まれる前のお給料の67%、専業主婦など働いていなかったら300ユーロです。

この育児手当はKindergeld(キンダーゲルト)という子供手当とは別です。

子供手当は親の収入、働いている、いないにかかわらず18歳まで毎月192ユーロですので、育児休暇をしっかり14か月とっても十分に生活していけるんですね。また、育児休暇を取ったからという理由で会社でのポジションを下げられたり、解雇になったりすることもありません。

 

こうやって、お父さんも育児に参加するチャンスを与えられ、結果、育児休暇が終わっても育児にかかわっていく習慣や姿勢ができるんじゃないでしょうか。

 

こちらのお父さん、本当に子供と遊ぶのが上手です。うちの娘も未だに夜寝る前はお父さんに本を読んでもらってから寝ます。

 

仲良し父娘っていいもんですよ。